来てくれてごめんなさい。

by SAKAKURA kyosuke | 2011/ 02/ 4 | Posted in art,info,notes,[notes]education,ワークショップ | 

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2月5日(土)、7日(月)の2日間、アカデミックスキルズ「批評と創作」クラスの展覧会を開催します。秋学期に、ビデオアーティストの小泉明郎さんと一緒に制作した学生たちのビデオアート約10点を、日吉來往舎イベントテラスおよびギャラリーに展示。5日には、キュレーターの住友文彦さんを交えて授業の作品を語りあうトークイベントも開催します。小泉さんの作品の上映もありますので、ぜひお越し下さい。

上のビジュアルは、つばさ作によるチラシ。MSワードでつくったとは思えない(だからこその?)妙な風合いがあります。学生の(しかも美大ではなく総合大学の学生の)つくったビデオアートといえば、まあ、なんというか、見ても見なくてもよいような気がする方もいるかもしれないのですが、そして事実、今回の作品たちも、上手か下手かといえば後者なんでしょうけども、だからといって見るべきものがないとはいえない。アート的な価値の有無ではなく、生身の格闘というか、本人たちも何をしているのかよくわかってないにもかかわらず、結果的に「できちゃった作品」には何かが潜んでいる、というような清々しさがあります。私自身も、ビデオアート、特にシンプルでコンセプチュアルな作品ほど、細部のつくりこみや映像の見え方に対する微細なセンスが必要だと思っていたのですが、手際がよくなくても成立する地平、だからこそ醸し出される味わいがあるのだという新鮮な発見がありました。

もし来てくださったら、ごめんなさい。

非構成エンカウンターグループ コトブキに眠り、かどべやで語る。

by SAKAKURA kyosuke | 2011/ 01/ 31 | Posted in info,notes,[notes]education,ワークショップ | 

昨年9月の清里に引き続き、非構成のグループを、くにちゃん(橋本久仁彦さん)のファシリテートで開催します。

今回は、2泊3日。会場は、大学がコトラボと連携して運営している石川町の「かどべや」。寿町の「横浜ホステルビレッジ」に宿泊しながら、じっくりと語り合います。

自然に囲まれた清里の良さもありますが、寿町に泊まりながら、そのほど近くで行うグループは、また違った味わいがありそうです。

新たな出会い、楽しみにしています。

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非構成エンカウンターグループ
コトブキに眠り、かどべやで語る。
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横浜・寿町。日本の三大「寄せ場」といわれる「ドヤの街」。
この街に3日間、寝泊まりしながら、じっくりと「私」を確かめていきます。
ただ円座になるところから、ゆっくりとはじまる語らい。
何かが起こるかもしれないし、何も起こらないかもしれない。
それでも私たちは、互いに敬意を持って「ともにいる」ことができる。
そのとき、私たちにどのような風景が見えてくるでしょうか。

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ファシリテータ:橋本久仁彦さん(プレイバックシアタープロデュース)

コーディネータ:坂倉杏之介(慶應義塾大学特別研究講師)

会期:2011年3月22日(火)〜24日(木)(2泊3日)
   集合:22日10時 解散:24日21時を予定

会場:かどべや(横浜市中区石川町5-209-3)

宿泊先:横浜ホステルビレッジ(横浜市中区松影町3-11-2 三和ビル1F)
#簡易宿泊所を転用した宿泊施設です。3帖一間、トイレ・シャワーは共同です。一風変わった宿泊施設ですので、設備など事前にご相談ください。
 →館内設備
#通いでの参加を希望される方は、申し込み時にご連絡ください。

主催:慶應義塾大学教養研究センター
#この事業は、文部科学省大学教育・学生支援推進事業大学教育推進プログラム 慶應義塾大学「身体知教育を通して行う教養言語力育成」事業の一環として開催されます。

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◎エンカウンターグループとは?
エンカウンターグループは、アメリカの臨床心理学者、カール・ロジャーズが始めたグループセッションです。あらかじめ与えられた議題や目標はなく、その時その場に確かに存在する声、感情、思いを交わしながら、自己や他者のありかたを丁寧に確かめていきます。

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◎講師プロフィール

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橋本久仁彦(はしもと・くにひこ)
1958年生まれ。大阪市出身。高校教師時代、カール・ロジャーズのパーソン・センタード・アプローチに基づく「教えない授業」を実践。アメリカやインドを遊学の後、龍谷大学にてカウンセラーを10年間勤める。2001年、龍谷大学を退職し、プレイパックシアター・プロデュースを立ち上げ、その研究と普及に力を注いでいる。2007年よりプレイバックシアターの仲間たちとプロジェクト・オーシャンズを結成。カンボジア、タイなどへの海外遠征を実施。エネルギーの枯渇しない、自発的で創造的なコミュニティに関心を持ち続けている。

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◎定員、参加費など

対象:どなたでも
#申し込み多数の場合は、GP(文部科学省大学教育・学生支援推進事業大学教育推進プログラム 慶應義塾大学「身体知教育を通して行う教養言語力育成」事業)の他のプログラムを受講している学生を優先させていただきます。
#GPの詳細は以下ウェブサイトをご覧ください。
http://lib-arts.hc.keio.ac.jp/gp/

定員:10名

参加費:無料
・ただし宿泊費、食費は各自負担。
・宿泊は「横浜ホステルビレッジ」(一泊3,000円)。
・昼、夜の食事は「さなぎの食堂」(一食300〜500円)を予定。
・朝食は未定ですが、申し込み受付後連絡します。
・23日の晩は交流会を予定(3,000円程度)しています。
・目安として、宿泊・食費合計、13,000円程度になる見込みです。

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◎申し込み方法
以下の項目をEメールにてお送りください。

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 ・名前:
 ・メールアドレス:
 ・連絡用電話番号:
 ・住所:
 ・年齢:
 ・性別:
 ・職業、専門など:
 ・申込みの動機:
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#宿泊先(横浜ホステルビレッジ)への予約はこちらで行います。
#通いでの参加、そのほかご希望があればあわせてご記入ください。

申し込み期限
2011年2月28日(月)

申し込み先
kyosuke(at)ss.iij4u.or.jp(坂倉)

以下、集合やスケジュール等、詳細情報です。

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臨床するアート、東京セッション

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 12/ 28 | Posted in art,info,notes | 

年明け、アーツ千代田3331のエイブルアート・スタジオにて、「臨床するアート」をテーマに連続6回のトークセッションを行います。私自身とても楽しみにしている企画なので、みなさんぜひご参加ください。

医療、福祉、地域コミュニティなどの現場におけるアートの社会的役割について考えるこのセッション、お話しをいただくのは、高橋伸行さん、新井英夫さん、藤原ゆみこさん、坂上香さん、鈴木励滋さん、津田広志さんと播磨靖夫さん。豪華で多彩な面々です。初めてお会いする方もそうでない方もいらっしゃいますが、講師の方々のお話しをじっくり聴けるこの機会をとても楽しみにしています。

それぞれのプロフィールとお話しいただくテーマは、プログラムの詳細をご覧ください。

私はコーディネイタとして各回に参加させていただきますが、この幅広く奥行きのある話題を華麗に論じられるような知識や経験は、とても私などにはありません。でも、むしろそんな「素人力」を最大限に発揮して、講師の方々の声に全力で耳を傾けたい。「とは何か?」といった空中戦ではなく、それぞれの方がそれぞれの現場で身にまとってきた、身体の声なき声に触れられるような、そんな場にできたらと思っています(あ、自分でハードルを上げているような気がしてきました。適当にがんばります:-))。

もうひとつ楽しみな要素は、各回とも、後半に参加者のみなさんとお話しする場を持てることです。東京で、こうしたテーマで集う機会は、少なくとも私の知る限りそれほど多くはありません。関心のある方、実践されている方は多いはずなのに、なんとなく分断されているような感じがする。この連続セッションが、これまで個別に考え、活動してきた方々が出会い、交流のはじまる小さなきっかけになれば、とも思っています。

全6回分まとめて予約すると、割引になるようです。また、ユース(25歳以下)の割引も。「学生」じゃなくて「ユース」なのは、エイブルアートジャパンの太田さんのアイデアですが、近頃は社会人学生が多かったり、大学卒業と就業の合間にいる人も増えていたりするかららしいです。なるほど。

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むらさき屋@三田の家

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 12/ 4 | Posted in info,notes,[notes] 三田の家,居場所/コミュニティカフェ | 

パープルアイズの高田絵里さんとの協同企画で、三田の家で「むらさき屋」を、12月9日〜11日の3日間開催します。坂倉の担当日、9日(木)は、むらさきの食べ物、飲み物をいただきながらの「パープルトーク」。「家族」、「家」、「at home」などをテーマに、カジュアルな語りの場をつくります。

といっても、なんのことだか皆目不明だと思います(笑)。むらさき=パープルは、DV防止を訴えるテーマカラーなのだそうです。パープルアイズは、コミュニケーション・デザインの視点からこうした問題をPRしている団体。「むらさき屋」は、むらさきのものを売る店という入り口から「もしかしたら自分にも関係ある問題なのかも」と思う人の輪広げていこうというプロジェクトです。

三田の家での「むらさき屋」では、専門的なDVの問題について議論するというより、もっと身近にある「家族のしんどさ」や「親しいからこそのつらさ」といった、誰にでもある経験や悩みを話しあってみたいと思います。

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詳細は、以下をご覧ください。
→むらさき屋@三田の家

みまむめも完成、展覧会は12月4日まで。

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 12/ 2 | Posted in art,notes,[notes]education,ワークショップ,感性と感覚 | 

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5週間にわたって開催してきた、尾久宮前小学校の図工の時間「みまむめも地図」。昨日、無事に完成しました。

展覧会は、4日(土)まで。交流授業のほかにも、児童のつくった作品が盛りだくさんです。図工の河野先生は大変だったと思いますが、全校をつかったボリューム満点の展覧会は、一見の価値ありだと思います。お近くの方はぜひ寄ってみてください。

尾久宮前小学校のミヤマエ・ミュージアム
2010年12月2日(木)〜4日(土)
9:00 – 17:00(入場は30分前まで)
4日(土)は13時まで。外部からの観覧に限り事前予約制で17時まで観覧ができます。
TEL:03-3893-3536
→交通やプログラム詳細は、尾久宮前小学校のウェブサイトから。

黒板とワイン、出版パーティ開催

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 12/ 1 | Posted in notes,[notes] 三田の家,大学地域連携,居場所/コミュニティカフェ | 

『黒板とワイン』の出版を記念したパーティを開催しました。中村理事長、横山先生のご挨拶、望月さんの乾杯のご発声、その後は『黒板とワイン』執筆者のみなさんの解説。美味しい料理やお酒とともに、夜更けまで盛り上がりました。

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↑大勢の人が集まり、いつになくピンクな三田の家。

ご来場くださったみなさま、準備してくれたスタッフ、マスターの方々。どうもありがとうございました。

別府「まちなかカフェ」での2日間

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 11/ 22 | Posted in etc,notes,大学地域連携,居場所/コミュニティカフェ | 

APUの牧田先生に呼んでいただいて「まちなかカフェ」でお話しをさせていただきました。19日の晩は、APUの関係者向けに大学地域連携の協働空間について。翌20日は「ベップ・アート・マンス」のイベントとして「文化をつくる境界の場所」というタイトルで。

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「まちなかカフェ」とは、昨年、大分大学の椋野先生や倉持さんが担当している時から、芝の家に調査に来ていただいたり、こちらからうかがったりして、距離はありますが行き来させていただいています。今年度からは、APUの牧田先生や学生さんたちが運営を担当することになり、まちの活性化の拠点となるべく奮闘されています。

牧田先生と奥さま、学生さんたち(がっきー、カズ、じゅんじゅんら)が手弁当で場づくりをしていて、その熱心さが気持ちよい場になっていました。

レクチャー後は、明礬温泉、鉄輪温泉などちょっとした観光も。今回浸かったお湯は、湯の里(明礬)、鉱泥温泉。特に坊主地獄となりの鉱泥温泉はよかった。不透明でグレーな泥湯は、見かけによらずサラサラ。ただし泉質が強いために利用方法が変わっていて、5分ほど浸かった後は、泥が乾くまでひなたぼっこ。これを2〜3回繰り返して入ります。泥湯に浸かるのは初めてだったのですが、身体にぐっときました。飛行機の時間がなければ、午後中昼寝をしたかったほどです。

別府のみなさん、ありがとうございました。

クローズアップ現代に出演

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 11/ 18 | Posted in notes,居場所/コミュニティカフェ | 

NHKの「クローズアップ現代」に出演させていただきました。特集タイトルは、「住まいを“シェア”してみませんか?」。はじめての「スタジオ生出演」。うまく話せなくてもそれは自分の実力で仕方ありませんが、生放送なので、番組の時間内で話し終えなければなりません。最低限、どうにかそこだけはクリアできたので、ほっとしています。国谷さん、スタッフのみなさま、お世話になりました。

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みまむめも三週目。

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 11/ 17 | Posted in art,notes,ワークショップ,感性と感覚 | 

先週は、ひさみさん、しろっぷ。今週は、ゆみさん、あーこ、みづえさんが手伝ってくださっています。青学WSDのみなさまが来てくれなかったらこの図工の時間、成立しなかったかもしれません。ありがとうございます!

お蔭さまで、着々と工事(?)は進んでいます。4年生はグループで、取材にもとづいて、都電、消防署、東京電力のタワー、女子医大病院、都バス、BLD(地元のパン屋さん)を鋭意制作中。なかなかに巨大でわくわくしてきます。
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3年生は、まち歩きの写真から一枚を選んで紹介するシートをつくった後(これも展覧会で展示します)、一人ひとりの造形を開始。こちらも相当、個性的。日暮里舎人ライナーや飛行機(公園の遊具)などの定番から、自分の家、得体の知れない塔、賽銭箱、店で売っている卵(?)など、つくりたいものがつくりたいようにつくられています。
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来週はいよいよ体育館へ移動。土木工事もはじまります。

茶堂=日本的コミュニティセンター?

by SAKAKURA kyosuke | 2010/ 11/ 16 | Posted in notes,[notes]芝の家,居場所/コミュニティカフェ | 

新潟の河田さんに紹介していただいて、久田邦明さんの『生涯学習論―大人のための教育入門』という本を読みました(→amazon)。

いささか生真面目なタイトルですが、教科書的な概論ではありません。学校教育や社会教育を地域コミュニティの網の目のなかに置き、現在の課題を、高度成長期以降の地域社会の変化に位置づけることで、その本質的な問題の所在を論じた視野の広い本。学校教育や社会教育は本来、地域コミュニティが十全に機能していることを前提としていたにもかかわらず、その関係性が忘れられ、また地域コミュニティ自体が失われたことによって、多くの問題を抱えるに至ったという構造がよく見えてくる。それゆえ、地域社会の現在のありようを通じて、教育のみならず、若者の就業支援や地域福祉といった課題までが、逆に照らし出される。

青少年向けの居場所などについて断片的な知識しかなかった私にとっては、紹介されている全国各地の施設や取り組みは非常に興味深く、とても勉強になりました。また、本書で繰り返し取り上げられる「茶堂」が、若者の居場所やコミュニティカフェの源流だという指摘はおもしろかった。

茶堂とは、四国や中国地方に見られた民族建築物で、集落のはずれや交通の要所(つまり外部との境界)に建てられている。一間か二間四方の簡素なつくりで、三方または四方は開放。多くは茅葺き。村はずれの東屋、和風のフォリーといった建物である。

この小さな空間は、旅人の休憩所や、行商人との取引き場所にもなり、住民が交代でお茶を振る舞った地区もあるという。また祭礼や酒宴など、集落内部の行事にも使われていた。境界の空間ゆえに共同体の内外に開かれ、集落ごとに所有・管理し(=非制度的)、その時々に応じて多目的に使用される空間である。こうした空間が、地域コミュニティの維持を担っていたというのがおもしろい。

さっそく試しに、茶堂とコミュニティとの関係という見立てで、芝の家はじめ各地のコミュニティカフェの事例を紹介させていただいた。欧米(ドイツとカナダ)の研究者向けに、「日本的コミュニティセンター」という説明をしてみたのだが、縁側の機能や通りとの接し方、コミュニティのなかでの位置づけなど、興味深く聞いてもらえたようだ。コーヒーハウスやカフェがどちらかというと都市のブルジョア文化に結びつき、地方は教会がコミュニティの中心に位置している欧米的なコミュニティとコミュニティ空間の関係に対して、農村の共同体を支える茶堂という見立ては、日本特有のコミュニティ空間の在り方を考える上で有効だと思った。

茶堂のコミュニティ機能は、戦後は公民館にその役割を委譲してきたといえるようだ。また飲食機能は、近世以降、茶店など現在の飲食店に発展したともいえるのかもしれない。時代にあわせた進化ともいえるのだが、それゆえ逆に、茶堂が本来持っていた「境界性」と「非制度性」は失われてしまった。いま、「普通の人たち」が協力しあい、地域の居場所やコミュニティカフェという形で新たな「境界性」と「非制度性」をもつ場をつくろうとしていることは、従って極めてまっとうな「先祖帰り」といえるのかもしれない。

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