ポストデザインの思想

by SAKAKURA kyosuke | 2016/ 05/ 4 | Posted in notes | 

先週は、リトルトーキョーで「本当に本当にデザインするべきものとは」という集まりに参加したのでした。とてもよかった。
私は以下のようなことを即興的にお話しして、聴いてもらって、うん確かに大事なことだなと再確認できました。こうしたことを確かめられる貴重な機会でした。

いまの(少なくとも日本の)社会のしくみは、人間の生存本能に甘えすぎだと思う。こんなに子育てしにくく、老後が心配で、若者は教育を受けても職を得られるとは限らず、企業で働く1割が精神を壊す。にもかかわらず多くの人はそれでも、よく生き、よく育て、よく看取ろうとしている。社会デザインの不備を補ってあまりある、なんと強い生きるエネルギーでしょうか。でも、もうそろそろそれに甘えるのは限界ではないか。これまでとは違う思想が必要なのだと思います。これからは、人の根源的なちからに添うように、多くの人が生き生きと本能を発揮して生きられるような社会デザインが必要なのではないでしょうか。そして、そもそも「デザイン」は近代という時代の産物にして、近代的思考の典型なわけですから、すでに時代は、近代の終わりを終えていると考えるなら、近代の社会設計の思想とツールとしての「デザイン」に変わる、新しい社会づくりの知恵=「ポストデザイン」が必要なのではないだろうか。それがどんなものかはわからないけど、それを問い続けるのが「いま」なんじゃないか。そんなことを話しました。

自分で書いていてもびっくりするぐらい、大きな問いです。でも、デザインに替わる(?)何か、これからの社会づくりの基盤となる思想は、みんなで追求しなければいけないことは確か。ぼちぼちがんばります。:-)

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