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Greeting Green :グリグリ・プロジェクト

Greeting Green Project | 2007〜 | 
| etc | group process | works | workshop |

2007年4月から一年にわたって、子どもたちと一緒に植物を育てる、NPO法人「芸術家と子どもたち」のプロジェクト。にしすがも創造舎(旧朝日中学校)の校庭を耕し、土いじりや野菜づくりを楽しみつつ、植物をつかった造形ワークショップをしたり、とれたての野菜を食べたりと、畑を満喫しています。

→ グリグリ・プロジェクトWEBサイト

植物と造形ワークショップは、深沢アート研究所のカブさんが担当。コーディネイトは、「芸術家と子どもたち」の五十嵐さん。坂倉は、プロジェクトファシリテーションという役を務めています。

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二週間に一日くらいのペースで進める作業は、まず開墾から。カチカチに固い校庭に鍬を入れ、新しい土と肥料で耕し、植物を植える準備を。次に、何を植えるかみんなで相談して、種蒔き。そして、雑草をとり、水をあげて、畑の名前を考えて看板づくり・・・と、ぐんぐん育つ植物たちに遅れないように、慌ただしくも楽しい畑仕事を重ねています。

8月には、お友達やご近所さんを招いての小さな収穫祭的・夏祭り的なイベントも。下の写真は、「畑@校庭 まるごと体験デー」より。畑でとれた野菜をつかった小さなカフェ、その場で伐った竹でつくる水鉄砲と葉っぱを使った造形コーナーなど。

プロジェクトファシリテーションの立場から少し。

プロジェクトに伴走しながら、「焦ってコトを急がない」ことの大切さを感じています。はじめて出会った子どもたち、お父さんお母さんたちが、力をあわせて畑を耕し、植物を育てるのは、想像するよりずっと大変な作業。子どもたちは遊びたい盛りで、大人だけのプロジェクトのようにはゆっくりお互いの話を聴く時間も取れないし、なにより、植物は人間の都合にあわせた速度で育ってくれません。

隔週末で作業する子どもたちやお父さんお母さんたちが、草とりや水まきに追われて退屈してないかと、ついつい、いろいろな仕掛けをしたくなります。

けれども、春・秋と年に2サイクル、種を蒔き、芽が出て、花がつき、実がなるという、人間の社会よりもゆったりとした畑の流れのなかで、起こるべきことが起こっていく、という自然さが、このプロジェクトの一番の魅力なのではないか、と思っています。

そう考えて、植物の成長ペースくらいにのんびりした気持ちで見始めると、いろいろ素敵な変化に気づきます。たとえば、はじめに植えたトマトが実をつける頃には、植物に触れる子どもたちの手つきが、わずかずつ変わってきたように見えたり。それまでは、鉛筆も枝も同じ「モノ」だったのに、植物はどうも違う、と。また、何週間も前に種を蒔いたことと、いま触っている小さな葉っぱのあいだが、子どものなかで何らかの回路でつながりはじめる感じも伝わってきます。

プロジェクトの成長も同じ。しかし、普段の生活よりも、コトの移りがゆったりとしているぶん、時折、手応えが足りなく感じられることも。そうした時に流れを見失ってしまわないよう、いまこのプロジェクトがどこへ向かっているのかを「ずっと見守っている役」というのが、ここでの自分の役割(ファシリテーション)なのだと思っています。