kamakura_top.jpg

鎌倉のカラー・パレット

Color Workshop by Mayuko Shimizu (2) | 2006/05/28 | 
| colors | etc | group process | works | workshop |

ルートカルチャーが主催するフェスティバル「新月祭」のなかで行った、清水繭子の草木染めワークショップ。会場は、鎌倉・妙本寺境内の比企ヶ谷幼稚園。周辺のさまざまな草木の色を集め、「鎌倉のカラー・パレット」をつくるというワークショップです。

ルートカルチャーは、鎌倉の地域文化が生まれ育つ場づくりを目的にした活動。そのはじめてのフェスティバルということで、身近に暮らす植物で染め、草木の持つ色を通じて地域との新しい接し方が見えてくるような経験になれば、という想いで企画しました。ワークショップに向けて、色を集めるためのファイルもあわせてデザイン。採集した色を誰かに贈ることができるように、染める和紙はハガキ大を選択。ワークショップであり、植物の色を染み込ませたハガキファイルの試作でもあるような仕事でした。

060529-3.jpg

以下は、ワークショップレポートです。

まず、あらかじめ染めた4色の葉書(稲村ガ崎の蓬、若宮大路段葛の
桜、広町の森のどんぐり、源氏山の臭木)と、2枚の未晒しを入れた
ファイルを参加者に渡し、このうちの未晒し(まだ染まっていない)
2枚を、妙本寺の槙と杉で染めてファイルを完成させ、持ち帰ってい
ただくことに。

060528-1.jpg

老若男女、10名ちょっとの参加者。

060528-2.jpg

染液を炊き出す合間には、境内の杉や槙を見にお散歩。雨上がりの空
気が気持ち良い。写真は、妙本寺の書院。中央のクリスマスツリーの
ような形の木が、槙。この日染めたのは、この木とは別の槙で、数日
前に剪定した枝をいただいて来た。

060528-3.jpg

半年まえに切られた杉の切り株。杉の皮は、この切り株からつくっ
た灰汁で媒染した。

060528-4.jpg

槙で染めた和紙のかわいらしいピンクに、みんな感激。あらためて槙
の枝を細かく見直してみると、枝の断面や表皮に、和紙にうつしとっ
たピンクの成分が見えてくる。葉は緑、枝は茶色と決めつけて見てい
ると、なかなか見分けられない微妙な表情。

060529-4.jpg

上は、完成した2006年晩春のカラー・パレット。右下のピンクと
ベージュのが、この日のワークショップで染めた和紙。

カラー・パレットは、今後も、日々の色採集活動として、またできれば限定的な形であれ少しずつ流通しうるプロダクトとして、継続していくつもりです。