未完成の小さな場

by SAKAKURA kyosuke | 2011/ 04/ 4 | Posted in notes,居場所/コミュニティカフェ | 

久しぶりに読み直した、松山巖さんの『建築はほほえむ』から。

建築こそ未完成の場なのだ。
未完の建築はほほえみ、世界はゆれる。
世界はふるえる。
では、世界とはなにか。
あなたが、私が、誰かと、共に
未完であることに、目覚め、理解し、口を開くこと。
すきまを開き、ちょっとしたなにかが起こり、なにかを起こす、
いくつもの、すきまを埋め、
いろいろな、すきまで結ぶこと。
未完であるためのすきま、ひとりが生きる目地、継ぎ目、余裕、余白、小さき場。
(松山巖『建築はほほえむ 目地 継ぎ目、小さき場』西田書店、2004年、113頁)

私たちは昔から、未完の空間に生きていたのだと思う。未完であることに目覚め、誰かとともに口を開くことで、世界が生まれ、その世界は「すきま」で満たされている。出来事は、そのように起こり続けてきたし、これからも起こり続ける。